受動態の種類と例文をわかりやすく解説しました。
受動態の基本
受動態は、動作の受け手を主語にする文の形です。
例えば、「私はケーキを食べる」という能動態の文を受動態にすると、「ケーキは私に食べられる」となります。
英語では「The cake is eaten by me.」のように表現します。
受動態の基本的な構造は以下の通りです。
主語 + be動詞 + 動詞の過去分詞 + by + 動作主
【例文】
- 能動態: My mother bought many oranges.(私の母がたくさんのオレンジを買った)
- 受動態: Many oranges were bought by my mother.(たくさんのオレンジが私の母によって買われた)
受動態の使い方
- 動作主が重要でない場合
- 「The book was written in 1990.」(その本は1990年に書かれた)
- 動作の受け手に焦点を当てたい場合
- 「The cake was eaten by the children.」(そのケーキは子供たちによって食べられた)
受動態の時制
受動態も時制に応じて変化します。
受動態では、時制に応じてbe動詞の形が変わります。以下に、各時制の受動態の構造と例を示します。
時制 | 構造 | 例文 |
---|---|---|
現在形 | am/is/are + 過去分詞 | The house is cleaned every day.(その家は毎日掃除される) |
過去形 | was/were + 過去分詞 | The house was cleaned yesterday.(その家は昨日掃除された) |
未来形 | will be + 過去分詞 | The house will be cleaned tomorrow.(その家は明日掃除される) |
現在進行形 | am/is/are being + 過去分詞 | The house is being cleaned now.(その家は今掃除されているところです) |
過去進行形 | was/were being + 過去分詞 | The house was being cleaned when I arrived.(私が到着したとき、その家は掃除されているところだった) |
現在完了形 | have/has been + 過去分詞 | The house has been cleaned.(その家は掃除されたところです) |
過去完了形 | had been + 過去分詞 | The house had been cleaned before they moved in.(彼らが引っ越してくる前に、その家は掃除されていた) |
未来完了形 | will have been + 過去分詞 | The house will have been cleaned by the time you arrive.(あなたが到着するまでに、その家は掃除されているでしょう) |
受動態の否定文と疑問文
受動態の否定文は、be動詞の後に「not」を付けることで作成します。
受動態の疑問文は、be動詞を主語の前に出すことで作成します。
以下に例を示します。
時制 | 肯定文 | 否定文 | 疑問文 |
---|---|---|---|
現在形 | The cake is eaten by the children. | The cake is not eaten by the children. | Is the cake eaten by the children? |
過去形 | The house was cleaned by my mother. | The house was not cleaned by my mother. | Was the house cleaned by my mother? |
第4文型(SVOO)の受動態
第4文型は「主語 + 動詞 + 目的語1(間接目的語) + 目的語2(直接目的語)」の形を取ります。
- Our manager gave us the permission.
- S = Our manager
- V = gave
- O1 = us
- O2 = the permission
例えば、上記の文を受動態にする場合、目的語1(O1)と目的語2(O2)のどちらを主語にするかによって、2種類の受動態が作れます。
- 目的語1(O1)を主語にする場合:
- We were given the permission by our manager.
- 私たちは課長に許可を与えられた。
- 目的語2(O2)を主語にする場合:
- The permission was given to us by our manager.
- 許可は課長によって私たちに与えられた。
注意点として、目的語2(O2)を主語にする場合、「to us」のように前置詞を付ける必要があります。
どちらの目的語を主語にするかは、伝えたい要点によって決まります。
例えば、「誰に与えられたのか」を強調したい場合は目的語1(O1)を主語にし、「何が与えられたのか」を強調したい場合は目的語2(O2)を主語にします。
第5文型(SVOC)の受動態
第5文型は「主語 + 動詞 + 目的語 + 補語」の形を取ります。
- They call him a genius.
- S = They
- V = call
- O = him
- C = a genius
例えば、上記の文を受動態にする場合、目的語(O)を主語にします。
補語(C)はそのままの位置に残ります。例えば以下のようになります。
- He is called a genius by them.
- 彼は彼らによって天才と呼ばれている。
第5文型の受動態を作る手順は以下の通りです。
- 目的語(O)を主語にする:
- 例:He (himが主語になる)
- 動詞(V)を受動態に変える:
- 例:is called (callが受動態の形に変わる)
- 補語(C)をそのまま残す:
- 例:a genius (補語はそのまま)
- 必要に応じて「by + 行為者」を付ける:
- 例:by them (行為者を付ける)
他の例も見てみましょう。
- They made her happy.
- 彼らは彼女を幸せにした。
- She was made happy by them.
- 彼女は彼らによって幸せにされた。
- The teacher found the students attentive.
- 先生は生徒たちが注意深いと感じた。
- The students were found attentive by the teacher.
- 生徒たちは先生によって注意深いと感じられた。
第5文型の受動態では、補語がto不定詞や分詞の場合もあります。
- My boss told him to finish the report.
- 私の上司は彼にレポートを終わらせるように言った。
- He was told to finish the report by my boss.
- 彼は上司にレポートを終わらせるように言われた。
- They kept her waiting.
- 彼らは彼女を待たせ続けた。
- She was kept waiting by them.
- 彼女は彼らに待たされ続けた。
例えば、上記のように、第5文型の受動態は、目的語を主語にし、動詞を受動態に変え、補語をそのまま残すことで作成されます。
助動詞を含む受動態
助動詞を含む受動態の基本形は「助動詞 + be + 過去分詞」です。
助動詞の後ろに必ずbe動詞の原形「be」を使い、その後に過去分詞を続けます。
以下にいくつかの例を示します。
- 助動詞 “will” を使った受動態
- 能動態: She will finish the project.
- 彼女はそのプロジェクトを終えるでしょう。
- 受動態: The project will be finished by her.
- そのプロジェクトは彼女によって終えられるでしょう。
- 能動態: She will finish the project.
- 助動詞 “can” を使った受動態
- 能動態: They can solve the problem.
- 彼らはその問題を解決できる。
- 受動態: The problem can be solved by them.
- その問題は彼らによって解決されることができる。
- 能動態: They can solve the problem.
- 助動詞 “must” を使った受動態
- 能動態: You must follow the rules.
- あなたはそのルールに従わなければならない。
- 受動態: The rules must be followed by you.
- そのルールはあなたによって従われなければならない。
- 能動態: You must follow the rules.
- 助動詞 “may” を使った受動態
- 能動態: He may join the meeting.
- 彼はその会議に参加するかもしれない。
- 受動態: The meeting may be joined by him.
- その会議は彼によって参加されるかもしれない。
- 能動態: He may join the meeting.
助動詞を含む受動態の否定文や疑問文も、助動詞を使った通常の文と同じように作成します。
- 否定文: 助動詞の後ろに「not」を付けます。
- 例: The project will not be finished by her.
- そのプロジェクトは彼女によって終えられないでしょう。
- 疑問文: 助動詞を文頭に移動させます。
- 例: Will the project be finished by her?
- そのプロジェクトは彼女によって終えられるでしょうか?
助動詞を含む受動態の文は、基本的な受動態の形に助動詞を加えるだけなので、比較的簡単に作成できます。
進行形の受動態
進行形の受動態は「be動詞 + being + 過去分詞」の形を取ります。
これは、進行形の「be動詞 + 動詞のing形」と受動態の「be動詞 + 過去分詞」を組み合わせたものです。
進行形の受動態は、動作が進行中であることを示しつつ、その動作が誰によって行われているかを強調する際に使われます。
以下に具体的な例を示します。
【現在進行形の受動態】
- 能動態: They are building a new shop.
- 彼らは新しい店を建設しています。
- 受動態: A new shop is being built by them.
- 新しい店が彼らによって建設されています。
【過去進行形の受動態】
- 能動態: She was reading a book.
- 彼女は本を読んでいました。
- 受動態: A book was being read by her.
- 本が彼女によって読まれていました。
【未来進行形の受動態】
- 能動態: They will be discussing the plan.
- 彼らはその計画について議論しているでしょう。
- 受動態: The plan will be being discussed by them.
- その計画は彼らによって議論されているでしょう。
進行形の受動態の否定文や疑問文も、通常の進行形と同様に作成します。
- 否定文: 助動詞の後ろに「not」を付けます。
- 例: The project is not being completed by the team.
- そのプロジェクトはチームによって完了されていません。
- 疑問文: 助動詞を文頭に移動させます。
- 例: Is the project being completed by the team?
- そのプロジェクトはチームによって完了されていますか?
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