【英語】リンキング(連結)

英語の発音におけるリンキング(連結)についてまとめました。

英語のリンキング(リエゾン)とは

英語のリンキング(リエゾン)は、特に子音と母音の組み合わせでよく見られる現象です。
英語を話す際、ある単語の最後の子音が次の単語の最初の母音とつながることで、発音が滑らかになります。

以下にいくつかの基本的なルールと例を紹介します。

  • 破裂音+母音
    • 破裂音(p, b, t, d, k, g)が母音とつながると、音が滑らかに変化します。
    • 例: “get up” → 「ゲタップ」または「ゲラップ」
  • 摩擦音+母音
    • 摩擦音(f, v, θ, ð, s, z, ʃ, ʒ)が母音とつながると、音が連続して聞こえます。
    • 例: “this apple” → 「ディスアップル」
  • 鼻音+母音
    • 音(m, n, ŋ)が母音とつながると、音が自然に続きます。
    • 例: “can I” → 「キャナイ」

シャドーイングなどで発話する際、リンキングを意識することで、英語の発音がより自然になり、リスニング力も向上します。

【基本1】子音+母音のリンキング

子音+母音はリンキング(連結)します。

パターン
子音 + I(子音+ァイ) that I(ザライ)、Can I(キャナイ)、Should I(シュダイ)、but I(バタイ※アメリカ英語ではバライ)
子音 + is man is(マニズ)、wind is(ウィンディズ)、There is [ðéɚɪz(ゼァリズ)]、there’s [ðéɚz(ゼァズ)]
子音 + if even if (イーヴニフ)、What if (ワティフ)、wonder if (ワンダーリフ)
子音 + are [ɚ] they are (they’re) [ðeɚ(ゼァー)]、there are [ðeərə(ゼァラー)]、here are (here’re) (ヒアラー)、men are(メナー)、women are(ウィミナー)、people are(ピープルァー)、What are(ワター/ワラー)
are + 母音 are in(アーリン)、are on(アールン)、are all(アーロール)
were + 母音 were also(ワーロールソ)、were always(ワーロールウェイズ)
more + 子音 more about (モアラバウ)、、more importan(t) (モアリンポータン)
子音+ y did you([dídʒú / ディヂュー] or [dídjʊ / ディデュー])、could you (クッヂュー)、Don’t you(ドンチュー)、aren’t you (アーンチュー)、made you (メイヂュー)、send you (センヂュー)、sent you (センチュー)
子音 + us asked us (アスクタス)、make us (メイカス)、both of us (ボウソヴァス)
子音 + a once a day (ワンサ)、take a day off (テイカ)、make a reservation (メイカ)、turn away (ターンナウェイ)
子音 + of one of (ワノヴ)、some of (サモヴ)、most of (モゥストヴ)、all of(オーロヴ)、both of (ボウソヴ)※「of」は後ろの「f」が、リンキングしたり、消えたりして聞き取りにくいづらい場合があります。
if + 母音/子音 if I(イファイ)、if you(イフュー)、if we(イフィー)
その他 have already (ハヴォーレディ)、have always (ハヴォールウェイズ)、have all (ハヴォール)、is always (イズォールウェイズ)、been able (ビンネイブル)、been eating (ビンニーティング)

【参考動画】

前にある単語の最後の音と、後ろの単語の最初の音が同じ子音であったり似た子音の場合、リンキングします。
特に「t / d / th」同士は、よくリンキングするので重要です。

パターン
t + t want to (ウォントゥー), get to(ゲットゥー), went to(ウェントゥー), that the(ザッザ), with the(ウィッザ)
d + t used to(ユーストゥー), had to(ヘァットゥー), need to(ニートゥー), hard to (ハートゥー), talked to(トークトゥー), wanted to (ウォンティットゥー)※前が「d」、後ろが「t」の場合、後ろの「t」の音になります(後ろの子音が優先)。特に、過去形・過去分詞形の最後が「-ed」で、その後ろに「to」がきた場合、よくリンキングします。よく使う熟語・表現は、会話の文脈から推測できると分かると、連結・消失されていきます。
t/d + th at the(アッザ), found that(ファウンザ), around the world(アラウンザ), let them(レッゼム), what they’re(ワッゼア), and the(アンザ), made the(メイザ)※「the」の前の単語の最後の音が「t / d」の場合、その音は消失します(thの音が優先)
その他 at ten(アッテン), What do you do?(ワッドゥー), hundred dollars(ハンドレッダラーズ),compared to(カンペアートゥー), should take (シュッテイク), get down (ゲッダウン), good day(グッデイ)
b / v / p have been(ハッビン), I’ve been(アイッビン), give birth to(ギッヴァース), top player(トップレイヤー), keep pace with(キーペイス), most of people(モゥストッピープル), bought this(ボーディス)
s/sh/ts is still (イスティル)|I was sure (ワッシュア), Is she(イッシー), was she(ワッシー), it’s so cute (イッソー)
l will learn, feel like, manual labor

アクセントのない「t / d / k / p」の音は、発音されないこと(無声発音なので省略されやすい)が多いです。
上述したように、過去形の「-ed」の「t」音も発音されないため、「-ed」がなかったら、過去形か現在形かぱっと分かりません。これは、文脈とコロケーション(よく一緒に使われる言葉の組み合わせ)から分かるようになります。例えば、「learn」は現在形で使われることは少なく、過去形、現在進行形、未来形で使われることが多いです。「the other day / a few days ago」などの過去を表す語句を伴うことで過去形だと分かることも多いです。
あえて「~をやりました!」と言いたいときは「did + 動詞の原形」にすることが多いので、聞き取りやすいです(逆にdid + 原形がきたらそのようなニュアンスであるとわかります)。

他に「wantとwon’t」はそれぞれ、「want to+原形動詞」で「to」の発音が強くなり、「won’t+原形動詞」の場合、「won’t」の「t」の音は弱く発音されるか、消えやすいです。

【参考動画】

【基本2】「t/d」がラ行になる

アクセントでない「t/d」の後ろに母音がくると、tは「ラ行」の発音になります。
これは、早く発音するためにそうなってしまいます。

パターン
単語 little(リロル), pudding(プリン), water(ワールー), getting(ゲリン), later(レイルー)
文章 let i(t) go(レリゴゥ), put it in(プリリン), put it on(プリロン), keep it in(キーピリン), run out of(ラナウロヴ), not a(ノラ), not at all(ナラロー), not only(ノロンリー), but also(バロルソー), white on(ホワイロン), what I(ワライ), out of work(アウロヴ), skate of(スケイロヴ), it is(イリズ)

【基本3】消失して連結するパターン

前の単語の語末の「t / d」が消え、その「t / d」の前にある子音と、後ろの単語の子音・母音とリンキングします。

パターン
(例)an(d) I (アナイ) 「and」の「d」が消失し、その前にある「n」の音と、次の単語の音「I [ai]」がリンキングして「アナイ」になります
n + 子音 + 母音 子音(t/d/th/gなど)が消えて「n 母音」で連結します。an(d) i(t) (アニ), isn'(t) i(t)(イズニ), doesn'(t) i(t) (ダズニ), wasn'(t) able(ワズンネイブル), kin(d) of [kάɪnəv / カイノブ], amoun(t) of [əmάʊnəv / アマウノヴ], talkin(g) abou(t) [tɔ́kɪŋəbάʊt / トーキナバウ], don'(t) eat [d’əʊníːt / ドンニート], don'(t) accept [d’əʊnæksépt / ドンナクセプト], won'(t) accept [w’əʊnæksépt / ウォナクセプト], won'(t) I [w’əʊnai / ウォナイ], managemen(t) is [マネジメンニズ], shipmen(t) is [シップメンニズ], differen(t) item [ディッファレンナイテム]
-st + s」で「t」の音が消えて「-s s-」で連結 mus(t) stop (マスタップ), nex(t) stop (ネクスタップ), nex(t) Saturday (ネクッサタデイ), touris(t) shop (トゥアリショップ), firs(t) step (ファーステップ), firs(t) store (ファーストァー), stren(g)th(ストレンス)

【基本4】頻出表現は1つの単語のように発音される

よく使う表現は、1つの単語であるかのような認識になるため、高速で発音されるためリンキングは発生します。

パターン
you an(d) me(ユーエンミー), black an(d) white (ブラックァンワイト), cats and dogs (キャッツンドーッグズ), fish an(d) chips (フィッシャンチップス), rich an(d) poor (リッチャンプア), knife an(d) fork (ナイファンフォーク)
an/as have an idea (ハヴァナイディア), have an appointment (ハヴァナポインメント), in an accident (イナンナクシデント), on an express train (ァナンニクスプレス), as soon as (アッスーナズ), are as follows (アーラズファロウズ)
have Now that I’ve found (ナウザライッファウンド), I’ve been eating (アイッビニーティン), have brought about (ハッブロータバウ)
one of 代名詞 one o(f) my friends (ワノマイ), one of our family (ワノヴァー)
send an e-mail (センダンニーメイル), all of our (オーロヴァ), those are in (ゾゥザーリン)

【定型句の例】日付・日時

定型句 発音
about a mont(h) ago マンツッアゴ

【定型句の例】数量

定型句 発音
most of A モストブ(大半のA)

【定型句の例】

定型句 発音
In order to

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